生き方が見えてくる
高校英語授業改革プロジェクト
より良い世界を創造できる市民を育てられるintelligentな英語授業を!
Senior High School English Classroom Reform Project
2011年11月25日更新

このプロジェクトは、高校英語授業(特に大学進学を志向した高校での)を改革するために立ち上がった
中高大教員の3ヵ年(2009年7月~2013年12月)プロジェクトです。


お知らせ (2012/07/30掲載)

来る8月5 日全国英語教育学会愛知研究大会にて、当プロジェクトが2本の発表を行います。
file大学入試はどんな力を (Wordファイル)
file配布資料 (PDFファイル)
file当日スライド (PDF)
file知的プロセスを大切にした高校英語授業 (Wordファイル)

過去のお知らせ

生き方が見えてくる高校英語授業改革プロジェクト
シンポジウム
「Intelligenceを高める英語教育を求めて」

fileシンポジウム「Intelligenceを高める英語教育を求めて」当日スライド (動画なし)
file「Storyを楽しむ」ワークシート
柳瀬陽介先生の講演スライド・配布資料および録音音声はこちらで入手できます。
※当日配布した教材・授業案集(製本冊子)を希望される方には、希望の部数を送料着払いで頒布します。
下記代表者までお問い合わせください。残部がなくなり次第終了となりますのでご了承ください。
 
file論文「現代の大学入試問題に、文法訳読式授業はどれだけ対応できるか」
(論文名をクリックすると、PDFファイルのダウンロードを開始します。)
 
「B型(コミュニケーション型)大学入試問題例集」
(全国英語教育学会 大阪研究大会 発表ページへ移動します。)

1. このプロジェクトの趣旨

日本の学校英語教育で英語運用力を高める努力の必要が叫ばれて久しい。

この要請に応えることは、何よりもまず生徒の切実なニーズに応えることであり、
またひいては日本の産業・経済・外国・学術の国際化に必須です。

それにもかかわらず、今日なお大半の進学高校では、
依然として文法訳読式の授業とドリル的補習授業が行われています。

具体的には、教師が日本語で授業を行い、教科書を逐一和訳して、そこに含まれる文法事項を解説し、
受験対策用の4択ドリルの答え合わせをすることに終始しています。

こうした授業がなぜ問題なのかは、次の点に要約できます。

  • 生徒が実際に英語を使う機会がほとんど無い。
  • 依存する検定教科書が、改訂のたびに真新しさを出そうとするために、
    いわゆる名教材の蓄積が難しく、内容の価値に限界がある。
  • 補習授業等で多用している受験対策問題集には、
    英文の内容が空疎なものが多く、知的・人間的に学ぶものが少ない。
    要するに、生きてゆく指針や将来の展望を与える教材が少ない。
  • 本来、読解や聴解の先には、知的創造的活動(情報の批判的吟味、情報への意見の形成と発表・交流)
    があるべきなのに、そうした知的部分が軽視されている。
  • 学びの共同体としての英語授業づくりの方向性が欠如している。
    情報化社会で、生徒が自ら有用な情報を調べて教室に貢献できる時代が
    到来しているにもかかわらず、調べ学習やプレゼンテーション、
    意見表明を活用した授業づくりの視点が、指導法にも教科書にも欠けている。
  • 以上を総合して、大学進学を志向する高校の生徒たちは、本来自分が自宅でも出来ることを授業で教えられ、
    逆に感激・啓発・構想・創造・アッピールするという、学校が本来与えるべきものを与えられていない。
    これでは、将来のリーダーとなる教育になっていない。
    成績優秀な生徒の知力の無駄使いになっている。

上記のような問題点がありながら、なぜ大半の高校は従来の授業スタイルから脱却できないのでしょうか。

これには、次のような原因が考えられます。

  • (1) 実行可能な改革モデルの欠如
     文法訳読式を乗り越えて、過重な負担増を伴わずに改革的授業を実際に実施し、
    見事に生徒の受験志望をも達成した改革モデルが欠如している。
    そのため、教師自身も、管理職も、生徒も、保護者も、結果への不安のために踏み切れない。
  • (2) 生徒の「役に立つ英語授業」への固定観念
     生徒自身が、4択式の試験で手っ取り早く点数が取れる短絡的手段の方を役に立つと「信仰」している。
    古い形の詰め込み式受験勉強スタイルが最も効果的だと信じている。
    ドリル形式は、何をやったらよいかがはっきりしているため、学習方法で迷うことがなく、不安を持たずにやれる。
  • (3) 教材の不備
     改革的な授業をサポートできる教材(検定教科書・教師用指導書・受験参考書を含む)が提案されていない。
    つまりそれは、豊かな内容と格調高い英語から成る名作を集大成した教科書で、
    更に新しいTESL教授法の成果を生かして、文法訳読式以上に効果的に英語力を増強できる教材の必要です。
    市販教材は教師の中の保守層をターゲットに、無難な編集をする傾向が強いので、
    出版社のイニシアティブで新タイプの教科書を作ることは容易ではない。

私たちは上記の状態を改めるには、改革的授業を可能にする新タイプの教材を開発し、
それを用いて実際に高校で改革的授業を実践し、その成果を有形のものとして、
英語教育界に提示することが必要だと考えます。

具体的には、下記のア.イ.ウ.を実行しようと立ち上がりました。

2. このプロジェクトの行動計画

  • (1) プロジェクトの研究内容
    以下の3方向からIntelligentな英語授業の、教材(検定教科書ではない)と具体的授業方法(補習授業を含む)のモデルを提案します。
    • ア. 大学入試問題の傾向分析
      大学入試(抽出23大学・過去3カ年分)の出題問題を、
      出題分野/出題形式/解答言語/解答形式/文法訳読・文法ドリル式で対応できるか/などの分析項目で分析し、
      どのような授業をしたら効果的に対応できるかを調査する。
    • イ. 名作教材集(意味がわかった後でも聞き・読みたい教材、暗唱に値する教材)を出版
      生きてゆく指針や感動、将来の展望を築く契機となる名作教材を用い、
      感激・啓発・構想・想像・アピールするという、学校が本来与えるべきものを与える教材を集める。
    • ウ. 「生き方が見えてくる」授業法の提案
      • i) 読解や聴解、ライティング、スピーキング、文法指導に於いて新しい合理的な指導法を取り入れ、
        授業中生徒が実際に英語を使う機会を多くし、普通の高校で実行可能な授業モデルを提案する。
        既に実際に行われて成功している先進的授業も紹介する。
      • ii) ペアワーク、グループワークのような教え合い・学び合いの授業を通じた知的コミュニケーション能力育成の筋道を提案する。
        読解や聴解の先に、知的創造的活動(情報の批判的吟味、情報への意見の形成と発表・交流)を行い、
        情報化社会で、生徒が自ら有用な情報を調べて教室に貢献できる時代の到来を活かし、調べ学習やプレゼンテーション、
        意見表明を活用した学びの共同体としての英語授業づくりの筋道を提案する。
  • (2) 研究スケジュール
    大学入試問題の出題内容の分析2009~2010
    新タイプ教材の素材収集2009~2010
    新タイプ教材での授業実践2010~2012
    新タイプ教材で教えるための指導書の作成2009~2010
    新タイプ教材で教えた記録集の作成2010~2012
    新タイプ教材で教えた成果の検証2011~2013
  • (3) 研究成果の公表
  1. 「文法訳読・文法ドリル式授業で現代の大学入試にどの程度対応できるか」の研究発表 (2010年6月)
  2. 教師向け学術書『インテリジェントな高校英語授業』の共同執筆と出版 (2012年3月)
  3. 高校生・一般向けの『高校生のための英語読本』の共同執筆と副読本の出版 (2012年3月)

3. プロジェクト内の任務分担

  • ここ3年間の23大学の入試問題の出題内容を分析
  • 大学受験を意識し、しかも内容的に豊かな題材の収集
  • 改革的授業の授業procedureの開発
  • 生き方が見えてくる言語教育を目指す世界の言語教育の動向調査
  • 改革的授業の観察・記録・測定
  • 書記・会計・運営・渉外・HP

プロジェクト参加者
以下の16名がこのプロジェクトに参加しています。

高校英語教員7名
大学英語教員7名
大学院生1名
大学生1名

補助金申請の都合上、当面このメンバーで活動することになりますが、
本プロジェクトの趣旨に賛同される方はぜひ賛助メンバーにご加入ください。
MLへのアクセスや会合案内をお送りいたします。(お申し込みは下記代表者へ)

4. このプロジェクトの責任者

代表者〒422-8529
静岡市駿河区大谷836
静岡大学教育学部
三浦 孝
連絡先 : miura-ok[a]nifty.com
副代表者〒437-8555
静岡県袋井市豊沢2200-2
静岡理工科大学
亘理 陽一
連絡先 : y-watari[a]ob.sist.ac.jp
メールアドレスは@を[a]として表記しています。

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